亜鉛が人間にとって不可欠な栄養素(ミネラル)であると聞いても、ピンとこない方も多いのではないかと思います。
日本ではまだ亜鉛に対する意識は低い状態なのですが、欧米では亜鉛に対する認識が高く積極的に摂取されているのです。
●亜鉛は体内でどのような働きをしているのか?
私たちが食べた糖質、脂質、たんぱく質、いわゆる3大栄養素は、エネルギー源や細胞の材料になるのですが、その過程でさまざまな化学反応を経て、形を変えていきます。
この化学反応をスムーズに行うには酵素が必要で、亜鉛は200種類以上の酵素の必須成分として働いています。
その他、核酸やたんぱく質の合成に関与したり、傷の修復に関与したりしています。
●亜鉛と前立腺の関係
亜鉛は前立腺に多く含まれ、他の臓器の10倍も含まれているます。
男性ホルモンの合成に亜鉛が必要不可欠であり、亜鉛が不足すると精力が減退するのです。
前立腺肥大の原因は、加齢に伴う男性ホルモンの減退と関わりが深いので、前立腺肥大の予防に亜鉛は有効といえるでしょう。
前立腺肥大は尿道を圧迫し、男性の尿障害の原因となりますので、亜鉛不足にならないように積極的に摂取しましょう。
●亜鉛の必要量
亜鉛は1日に乳児で1.2〜6r、幼児でで6〜10r、成人では10〜12rを摂取することが望まれます。
妊娠中は胎児の細胞分裂が盛んに行われるので、亜鉛多く必要となります。
また、母乳にも亜鉛が多く含まれ、乳児の成長や免疫力の維持に不可欠な栄養素です。
●亜鉛を多く含む食品
亜鉛を多く含む代表的な食品は貝類のカキで、生のカキ約60g(3個)中に亜鉛が約24r含まれています。
牛肉にも多く含まれ牛肉約80g中に亜鉛が約3.36r含まれています。
そのほか、レバーや豆類にも含まれます。