尿路感染の原因

通常健康的な人の場合は尿が流れ出る勢いによって、細菌などの微生物も尿と一緒に尿路の外に洗い流されるので、尿路感染にかかることもあまりありません。
しかし、尿の流れが悪くなるなんらかの要因があると尿路感染にかかってしまうのです。

●尿路感染の原因となる尿の流れが悪くなる要因

尿の流れを悪くする要因として、まず尿路のどこかが物理的な障害物によってつまってしまうことです。
一般的な原因は結石です。
結石が尿の通り道を塞いで尿の流れを妨げてしまうので、流れずに溜まった尿に細菌が感染するのです。
結石が尿路を長期間塞ぐと尿が逆流することもあり、腎臓へ細菌が感染して、腎盂腎炎になる可能性が増えます。

男性の場合は前立腺肥大で尿路感染にかかりやすくなります。
前立腺は尿道の周りを取り囲むように存在しているため、前立腺が肥大化すると尿道がギュッと締めつけられるように圧迫されるので、尿の出が悪くなり尿路感染しやすくなります。

次に神経の異常が尿路感染の原因となります。
神経の異常により膀胱機能が正常に働かなくなり尿の流れが悪くなって尿路感染することもあるのです。
正常な膀胱は尿をすっきり排出して膀胱内を空の状態にしまうのですが、脳、脊髄、膀胱につながる神経や膀胱から尿道への出口につながる神経が、神経疾患や外傷、出生時欠損で正常に働かなくなると、膀胱に尿を排出する命令がうまく伝わらなくなり尿をすっきり出しきることができません。
この場合、一般的には膀胱は収縮せずに、常に尿で満たされた状態で膨らんでいて、尿でいっぱいになった膀胱から溢れ出た少量の尿がポタポタと滴っていきます。
膀胱は常に尿が溜まっているので、細菌感染しやすくなります。

尿カテーテル挿入や手術中に使用する器具によっても尿路感染は起こります。
特に長期間カテーテルを固定的に挿入する留置カテーテルは、尿路感染を引き起こす可能性が高くなります。

腎臓から膀胱への尿の通り道である尿管と膀胱の間には弁があって、通常この弁が尿の膀胱からの逆流を防いでいます。
しかし、弁が何らかの原因でうまく機能していないと、尿が膀胱から逆流してこの尿の流れに乗って細菌も腎臓まで到達することもあります。


高齢者に尿路感染が多い理由

尿路感染は、通常尿の最終的な出口である尿道口から進入してくる訳ですが、尿が正常に排出されていて残尿もない場合は、尿と一緒に細菌などの微生物も体外に排出されるので尿路感染になることはあまりありません。
高齢者では何らかの原因で尿の出が悪くなるので、尿路感染にかかりやすくなるのです。

●高齢者で尿の出が悪くなる原因

高齢者では、年をとると共に膀胱や尿道など各器官の機能が低下してきます。
膀胱壁の弾力性が悪くなり、膀胱収縮筋と尿道括約筋がうまく機能しなくなるので、尿が正常に出なくなったり、残尿量が増加したりします。
加齢と共に排尿をコントロールする神経がうまく働かず、排尿がうまく行えないことで尿の出が悪くなるのです。

特に男性の高齢者では、前立腺肥大や前立腺癌により尿路が狭くなるので排尿困難や残尿などの症状が現れるので、尿路感染にかかりやすくなります。50才ぐらいまでは男性より女性の尿路感染が圧倒的に多かったのが、50才以降で男女の差が少なくなるのは、50才以降で男性に尿の出が悪く要素が多く現れるためです。

その他、高齢者では留置カテーテルなど機器を挿入する機会が増えることも尿路感染にかかりやすくなる1つの要因です。


尿路感染のとは?

尿路感染とは、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道に細菌やウィルスなどの微生物が進入し、各器官が炎症を起こす病気です。

尿路感染を起こす原因となる細菌やウィルスなどの微生物は、通常最終的に尿が出てくる尿道口から進入し、尿道を上がって広がっていきます。
もう1つの尿路感染のルートは、血液中に入り込んだ微生物が血液の流れにのって腎臓に進入してくることもあります。

尿路感染は、男性よりも女性に多く、1才頃になると女の赤ちゃんは男の赤ちゃんの約10倍も感染しやすくなり、思春期では男の子はほとんど感染しないのに対し、女の子では約5%が尿路感染にかかります。
また、20〜50才では、女性は男性の約50倍も多く尿路感染になるようです。

尿路感染が男性より女性で多い理由は、尿道口の近くにある膣からの感染が多いからです。
また、男性は尿道口がチンチンの先にあるので、微生物は進入しにくい構造となっています。
尿路感染の85%以上は肛門や膣から移動してきた細菌によって引き起こされるものです。
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